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TOPお葬式の豆知識沖縄の伝統文化納骨式のお供え物って沖縄と本土でどう違うの?
2024/07/02 沖縄の伝統文化

納骨式のお供え物って沖縄と本土でどう違うの?

その昔の沖縄は琉球王朝と呼ばれる独自の歴史と文化が育まれてきました。その多くは今でも受け継がれており、沖縄は本土とは違った生活習慣などが今でも息づいています。葬儀の風習なども、昔ながらのルールで執り行っている地域も存在します。沖縄ではシーメーと呼ばれる納骨式にも当然ながら本土とは違った独自のしきたりが残っています。

そんな納骨式にも独特なしきたりがありますが、お供え物も独特なルールが存在します。今回は、沖縄の納骨式で供えるお供え物についてみていきましょう。

本土の納骨式とのお供え物の違い

本土の風習では、宗派や地域による違いが様々にありますが、沖縄に比べると比較的シンプルなお供え物が多い印象です。主には生花お菓子、丸餅お酒などを用意します。

<本土の納骨式での一般的なお供え物>

供え花・・・1(2)
海のもの・・・わかめなど
山のもの・・・野菜など
果物・・・りんご・みかんなど
お酒
おもち・・・丸餅など
お線香・・・束線香

ただし、墓地などによってはお酒のお供えを禁止している場合もあるので注意が必要です。この他に、故人が生前に好きだったものを用意して供える家もあります。

◇ 納骨式でのお供え物は重箱料理がメイン!
沖縄では、ご先祖を供養するお墓参り、シーミー(清明祭)、旧盆などの行事には必ず重箱料理を用意しますが、納骨式でも同様に重箱料理をお供えします。

沖縄のお墓には墓地を守る土地神様である「ヒジャイガミ(左神)が祀られています。納骨式では、ヒジャイガミへのお供え物も用意する必要があるので、墓前とヒジャイガミ用にお供え物をそれぞれ用意するのを忘れないようにしましょう。

◇ ヒジャイガミへはシルカビを供え、重箱料理は「カタシー(片方)」で!ヒジャイガミはご先祖様ではなく神様です。お供えの際にはシルカビ(半紙など)を供えます。「シルカビ」とは、「神様への税金」とされています。また、「カタシー(片方)」とは、おかず重とおもち重を1重ずつ供えることです。

ヒジャイガミへの納骨式のお供え物

●重箱料理、カタシー(片方)
もち重1重・・・弔事用の白もちのみ奇数個
おかず重1重・・・弔事用の奇数品目
●シルカビ・・・3枚重ねの半紙などの白い紙
●お酒・・・徳利とおちょこ
●お線香・・・ジュウニフンウコー(十二本御香)
ヒラウコー(沖縄線香)ならタヒラ(※1)

※1:ヒラウコーとは日本線香を6本長い側面にくっつけたような形の沖縄独特の線香のことで、「タヒラ」は沖縄言葉で「タ」=「2」、「ヒラ」=「片」という意味なので6本の1セットの沖縄線香が2片(タヒラ)必要だというこちになります。ちなみに、1片のことは「半ヒラ」と言います。

◇ 墓前へは白位牌とともにウチカビを供え、重箱料理は「チュクン(両方)」で!
沖縄では、故人が亡くなってすぐに仮の位牌として白木の位牌が準備されます。これは沖縄の言葉でシルイフェー(白位牌)と呼ばれ、基本的には葬儀社が用意してくれますので、喪主や遺族が手配をする必要はありません。この「シルイフェー(シルイーフェー)」を喪主が棺と一緒にお墓まで持っていくのが通例です。その後は自宅(仏壇)で保管して、四十九日法要の時に本位牌に代わりますので、白位牌はその際に魂を抜かれてお焚き上げされます。

納骨式に墓前へお供えするお供え物は以下を用意します。

<墓前への納骨式のお供え物>

●重箱料理、チュクン(両方)
・もち重2重
・おかず重2重
└ヒジャイガミへ拝んだ後に、ウチジヘイシ(※2)で補充します。

●ウチカビ(※3)・・・重箱料理の上へ置く
├施主・・・5枚
└その他・・・3枚/1人

●お酒類
・お酒
・水
・お茶

●果物とお菓子の盛り合わせ(弔事用)
・果物(りんご、みかん、バナナなど)
・お菓子(白が基調の弔事用菓子)

お線香
・ジュウニフンウコー(十二本御香)
ヒラウコー(沖縄線香)ならタヒラ

ヒジャイガミへ拝んだ後は、重箱料理からおかずを1品~2品ずつお皿に取り分けます。そこで重箱料理の間部分は、予め持参した「ウチジヘイシ」から補充して、墓前への拝みに備えてください。

※2:お重へ補充するお供え物のこと「ウチジヘイシ」と言います。お供えの際に重箱を繰り返し使うことは良くないこととされているので、一度使用した重箱にタッパーなどで余分に用意したお供え物補充して入れ替えることで「新品の重箱」を用意したことの代わりとします。

※3:「ウチカビ」とは、故人があの世で使用するお金のことです。清明祭やお盆などのシーズンになると県内のスーパーでも広く販売されている黄色い紙で、焚くことであの世へ届ける事ができると信じられています。燃やすための金属ボウル(カビバーチ)や火箸もセットになったものも売られているので、合わせて準備しておきましょう。

まとめ

納骨式のお供え物って沖縄と本土での違いを見ていきましたがいかがだったでしょうか?シンプルな本土のお供え物に比べて、沖縄ではヒジャイガミや墓前の両方に重箱料理が必要です。ヒジャイガミや墓前に対してもそれぞれに儀礼が必要でもあるので、事前にしっかりと覚えてから納骨式に挑みましょう。沖縄の中でも地域や離島などの風習によって行われる納骨式も変わってきますのでご自身の地域でそれぞれ確認してみてくださいね。

●納骨式のまとめ
・納骨式は葬儀当日
・墓地の神様「ヒジャイガミ」へ最初に拝む
・相の合う人が、お墓を開ける
・新霊はお墓の入口「シルヒラシ」に置く
・沖縄の納骨式でのお供え物は重箱料理がメイン