お葬式の豆知識
葬儀で棺桶に入れてはいけない副葬品ってどんなもの?
あの世へ手向ける品として棺桶に一緒に納めるものを「副葬品(ふくそうひん)」と言いますよね。故人の思い出の品や好きだったもの、趣味の品や日頃から大事にしていたものなど、この世の思い出として、あの世に好きだったものを持っていってもらいたい、と遺族なら思うはずでしょう。
ただ、そんな想いとは裏腹に、現実問題として火葬場で燃やしてはいけないものがあります。今回は副葬品として棺桶に入れてはダメなものを確認していきましょう。
天国へ旅立つ故人への手向けの品
葬儀で棺桶に入れる故人への手向けの品を副葬品といいます。一般的には親族や友人などが思い出の品を持ち寄って棺の中に入れます。ただし、沖縄ではお通夜の後に火葬を済ませることも多いため、遺族以外の友人や知人などがご遺体に立ち会うタイミングがないケースも少なくないので、副葬品と一緒に故人を見送りたい場合には、ご遺族や喪主に確認を取っておきましょう。
副葬品としてよく入れられるもの
・故人への手紙・メッセージ、寄書き
・故人の思い出の写真(ペットなど)
・生前に好きだった服など
・食べ物(嗜好品など)
副葬品として入れられるものは当然ながら故人の思い出の品が多いです。主に副葬品として収められる品々には以上のようなものがよくあります。
副葬品として入れてはいけないもの
基本的に火葬で燃えないもの、燃やすことで有害物質が生じるものは棺桶にいれてはいけません。どうしても入れたい場合には、写真やデータにして入れるとよいでしょう。他にも入れてはいけない物の例を以下に記載します。
◇金属類やガラス類
葬儀で棺桶にいれるのに避けたいものは、金属類やガラス類です。あり得るものとしては結婚指輪や時計、メガネなどでしょう。これらは火葬で溶けてしまうとこびりつき遺骨を汚してしまう原因にもなります。
また、金属類は火葬炉も傷つけてしまう恐れもあるので注意しましょう。どうしても故人の側に置いておきたいものは、葬後、骨壺に入れて埋葬してもよいでしょう。
◇紙幣・硬貨
硬貨はそもそも金属なので燃やせません。またお金を燃やすことは法律で禁じられています。ただ、古くから三途の川を渡る船賃として六文銭を棺に入れるといったならわしがある地域もあります。現代ではもちろん実物ではなく印刷物やレプリカを入れるので葬儀社などに確認しておきましょう。
◇分厚い書籍
分厚い本は燃えにくいうえ、灰が大量に出るため、遺骨拾いの邪魔になる可能性があります。書籍を入れたい場合は、必要なページのみを切り取るか、写真を撮って入れるなどの工夫をしましょう。
◇カーボンや革製品
ラケットやゴルフクラブで使用されるカーボン製品のほか、野球のグローブ、革靴、レザージャケットも注意が必要です。革製品は全く燃えない訳ではありませんが燃えにくいため、金属同様、遺骨を汚してしまう恐れがあります。
◇果物
果物に関しては1個まるごといれないように注意が必要です。実は果物は水分が多いため爆発することもあります。特に水分が多くて大きさのあるメロンやスイカなどは要注意です。果物を入れる時には、小さく切って入れてあげると良いでしょう。
◇燃やせない素材が使われている洋服
ビニールは、燃やすことによって有害物質が発生しますし、グローブや革靴と同様に革ジャンなども燃えにくいため入れないほうが無難です。また、金属系の装飾など避けたい素材もあるので、棺桶にいれたい時には取り除いてから入れるなどの工夫が必要です。
◇その他危険物
燃やすことで危険性が高いものは当然ながら入れてはいけません。火葬によって有害物質が出る可能性があるビニールやプラスチックはもちろんのこと、スプレー缶やライター、缶詰などの爆発の危険性があるものなどは入れてはいけません。電池が入っている製品も注意しましょう。
もう一つ見落としがちなのが故人がペースメーカーを付けていた場合には注意が必要です。ペースメーカーは火葬時に爆発するリスクがあるためで、亡くなったらすぐに葬儀社のスタッフなどに伝えておく必要があります。
まとめ
葬儀で棺桶に入れる副葬品について理解できたでしょうか。基本的に棺桶にいれる副葬品は火葬で安全に燃えるものです。その他、大きさによっては燃えにくいとされるぬいぐるみも注意が必要です。
通常は死に装束を着せて故人を送るのが一般的ですが、もしご遺族が望めば生前に好きだった服装で整えるのも問題はありません。ただし時間が経つと手足が硬直して着せることができないので上から服を掛けてあげる方法でも良いでしょう。
いずれにしても燃えにくい洋服はNGなので、葬儀社や火葬場と相談しながら、故人の思い出の品や服装を着せて安心して天国へと旅立てるようにしてあげてください。