お葬式の豆知識
お通夜や葬儀に出られない!弔電や手紙に添える「お悔やみの言葉」とは?
知人や友人の訃報を受けることは、人生の中で何度か直面してしまう現実でしょう。そんな知らせを受けたらすぐにでも駆けつけたい!と思うのが人情ですが、ご自身の予定や都合で参列できないこともあるでしょう。
そんな時には弔電やメール、手紙などでご遺族に気持ちをお伝えします。その際にはどのような言葉を添えればいいのでしょうか?
今回は、弔電やメール、手紙を送る際に使用する「お悔やみの言葉(おくやみのことば)」についてみていきましょう。
「お悔やみの言葉」とは?どんな時に使う?
「お悔やみの言葉」とは、訃報を受けてご遺族にかける寄り添いの言葉です。一般的には通夜や葬儀においてご遺族にかける言葉ですが、参列できない場合には弔電や供花、香典に添える手紙、メールでもお伝えする思いやりのある言葉です。
<主に口頭で使用するお悔やみの言葉>
・お悔やみ申し上げます。
・残念でなりません。
これらの言葉は、通夜や葬儀への参列した際に、ご遺族に対して口頭でお伝えする一般的なお悔やみの言葉になります。もちろん手紙等の文面で使用しても問題はありませんが、文章でお悔やみを伝える場合には、以下のような丁寧な言い回しをしたほうがいいでしょう。
<弔電や手紙で使用するお悔やみの言葉>
・残念でなりません。
・哀悼の意を表します。
・ご冥福をお祈りします。
後述しますが「ご冥福をお祈りします」は、浄土真宗では使用せず、キリスト教も宗教観として適さない言葉です。お悔やみの言葉を手紙などでお伝えする場合には、先方の宗派などを確認した上で記述するようにしましょう。
また、「ご愁傷様です(ごしゅうしょうさまです)」も使い勝手はいいですが、口頭のみで使用するのがマナーです。後日「弔問」としてご自宅を訪問した際に、対面で使用することができます。
◇「残念でなりません」
訃報を受けて悲しく感じた自分の気持ちを表す言葉です。口頭で使用することも可能ですが、単体は気持ちとして薄い印象になってしまう可能性があるため、他のお悔やみの言葉と併用しながら使用すると良いでしょう。具体的な使用例を以下に示します。
「残念でなりません」の使用例
└「この度の訃報に接し 誠に残念でなりません。皆さまにおかれましては さぞお力落としのことでしょう。心よりお悔やみ申し上げます。」
◇「哀悼(あいとう)の意を表します」
「哀悼の意」とは哀しみ痛む気持ちのことです。「哀」が哀しみ、「悼」が心を惜しみ痛めることを差し、人の死を悲しみ痛むことを表すお悔やみの言葉となります。主に弔電や供花、お香典に添える手紙の文面などで使用します。ご遺族により丁寧な気持ちを伝えるため、一般的に「謹んで(つつしんで)」の言葉を冒頭に沿えると良いでしょう。
「哀悼の意を表します」の使用例
└「この度は○○様の訃報に接し 謹んで哀悼の意を表します」
◇「ご冥福(ごめいふく)をお祈りします」
「ご冥福をお祈りします」は、メールや手紙などで使用されやすいお悔やみの言葉です。ただし、「冥福を祈る」とは故人の死後が穏やかであることを願う仏教用語であるため、成仏するという概念のないキリスト教では不適切な言葉になってしまいます。
また、同じ仏教でも浄土真宗においては「人は誰でも亡くなるとすぐに成仏する」という教義のため死後に悩み苦しむことはないので、使用することは適切ではありません。
こうした宗教的な背景も考慮して、ご遺族にはお悔やみの気持ちを伝えるように心がけましょう。
「ご冥福をお祈りします」の」使用例
┣ 心から〇〇さんのご冥福をお祈り申し上げます。
└ ご家族皆様のご心痛いかばかりかとお察し申し上げますとともに、心より〇〇様のご冥福をお祈り致します。
メールや手紙で伝える際に気をつけること
<お悔やみの言葉は簡潔に>
生前から故人やご遺族と親しくしている人であれば、気持ちが入ってしまって文面も長くなりがちですが、基本は手短に簡潔に伝えるのがマナーです。便箋であれば一枚にまとめる、または一筆箋でも良いとされてきます。
<宗教観をチェック>
「ご冥福をお祈りします」のお悔やみの言葉でも伝えましたが、故人やご遺族の宗教背景を理解したうえで適切な言葉を選びましょう。事前にご遺族の宗旨宗派を確認してからお悔やみの言葉を選びましょう。
<メールで伝えるのはあくまでも略式>
訃報をメールで知らされ、その返信でお悔やみの言葉を伝えるというのも、現代では失礼ではありませんが、あくまでも略式と捉えたほうがいいでしょう。もし当日に参列できない場合でも、メールでその旨をお伝えしつつ、当日に弔電や供花などを送って弔意を伝えましょう。
<その他>
「親しき中にも礼儀あり」という言葉があるように、メールなどでお悔やみの言葉を送る際には下記にも注意するようにしてください。
<メールでお悔やみの言葉を使う時のタブー>
・絵文字を付ける
・機種依存文字は控える
・相手が誰でも丁寧な言葉で書く
・忌み言葉を使ってしまう
「忌み言葉(いみことば)」とは、不幸や不吉を連想させるため忌まれる言葉です。「重ね重ね」「ますます」「たびたび」などの重ね言葉や「引き続き」「絶える」「散る」「追う」など不吉を連想させる言葉、「四」「九」などの数字や「死去」「死亡」などの直接的な言葉は避けるようにしましょう。
お相手別の文例集
ここまで読んで、いざお悔やみの手紙を書こう!と思ってもどのような文面にすればよいか悩んでしまうことでしょう。基本的には華美な表現や凝った文章にする必要はありませんので、定型文のような形で問題ありません。そうすることにより簡潔で忌み言葉などを使わない間違いのない文章になるからです。以下に例文を記述しておきますので使ってみてください。
<親戚へお悔やみの言葉> |
この度は○○様の訃報に触れ 言葉もありません 皆さまもさぞ大変な時かと思いますが どうぞご無理をなさいませんよう ご自愛ください 本来は葬儀に駆け付けてお悔やみを申し上げたいところではありますが やむを得ない事情により 手紙にて失礼をいたします 謹んで哀悼の意を表します |
<友人・知人へお悔やみの言葉> |
この度は○○様の訃報に触れ 心よりお悔やみを申し上げます ○○さんも心遣いをするなか 無理をされているのではないでしょうか しばらくはお忙しいことでしょうが 何かあれば いつでもご連絡・ご相談いただければ幸いです 大変かとは存じますが どうぞご自愛くださいますように |
<会社関係へのお悔やみの言葉> |
この度は○○様のご逝去に接し 心よりお悔やみを申し上げます ○○支部○○でございます しばらくは大変かと思いますが どうぞご無理をなさいませんように 手紙でのお悔やみとなりましたこと 大変申し訳ありません 謹んで ○○様のご冥福をお祈りいたします |
まとめ
弔電や手紙に添えるお悔やみの言葉は理解できましたでしょうか。お悔やみの言葉は通夜や葬儀の参列、弔問の場合でも弔電や手紙、メールでも簡潔に伝えることがポイントです。
近年では家族葬などを選ぶご遺族も増えてきているので、通夜や葬儀への参列や香典・供花などを辞退するスタイルも増えてきました。こうしたご連絡を頂いた場合にはご遺族の意向を汲んで、お手紙を送るだけでも問題はありません。
その際には本記事の内容を参考にお悔やみの言葉を添えた手紙をしたためてみましょう。